どう出版編集部ブログ

季刊誌『道』を発行している、どう出版の編集部が書き綴っていきます。

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俳人で、元海軍主計大尉の 金子兜太さんにお話を伺いました。
金子さんは、今年97歳。

2015年の7月に安全保障関連法案の成立を目指す安倍政権に反対の意思を示そうと、全国で掲げられたプラカード「アベ政治を許さない」を揮毫したのが、この金子さんでした。

金子さんは、太平洋戦争時の1944 年3月、米軍によってすでに無力化されていた連合艦隊の拠点であるトラック島に派遣され、敗戦後も1年3ヵ月米軍の捕虜となったのち、最終船で引き揚げてこられました。

極端な食糧不足のなか、トラック島での金子さんの壮絶な体験は、命の駆け引きのある第一線ではない、「日常」のある戦場においても人が死んでいくという現実があることを教えてくれています。

ある日、金子さんの部下の工員が、手榴弾実験で命を失います。
「自己顕示欲が強くて自分のことばかり考えているような集団でね。そのうちの一人が死んだ時の、あの、彼らの仲間意識。守ろうとするその気持ちがね……。いかにも人間的なんですよ。あったかい。
私はつくづく思った。『ああ、戦争というのは、こういう良い連中を、どんどん死なせてしまうものなんだ。戦争というのは悪だ』とね。」


金子さんは、現在の、戦争を生で体験していない人たちが戦争を頭で語る、知識で語る、そんな風潮に危機感をいだき、生きている限り、戦争の本当の姿を語り続けるのだとおっしゃいます。

金子さんはこの会見で、これまでどこにも話をしたことがないという体験をお話しくださいました。

それは戦場で体験された、金子さんたちの命を救った不思議な光との出会い。
「この人たちを救わなければ」というぎりぎりの状況でふんばった金子さんが、呼び寄せた光であるのかもしれません。

「私は、先の15年戦争の時に、青年期だった。あの時に身に染みたこと、それを絶対ゆずっちゃいかんと思っている。自分の信念のままにやれ、と。
そういう思いで戦争から帰ってきた。
戦争のことを語っていこうと。戦争に向かう人たちと徹底的に戦っていこうと。
そういう思いでいます。」


是非多くの方に、金子さんの深い思いを知っていただきたいです。


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2017.02.02 14:07 | 編集部より | トラックバック(-) | コメント(0) |












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