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どう出版編集部ブログ

季刊誌『道』を発行している、どう出版の編集部が書き綴っていきます。

福島駅でレンタカーを借り、カーナビを頼りに「吉沢牧場」へ。

福島駅周辺の市街地から114号線に入り、飯館村を抜け、南相馬へ……。

沿道の、おそらくは水田に、除染した土を詰めたバッグが何層にも積まれていました。民家の庭にも積まれていました。
そんな風景に、重苦しい気持ちになりながら車を走らせていると、不意に目前に警戒区域のバリケードが現われ車を止めました。そのすぐ脇が、吉沢牧場でした。

「決死救命、団結」とスプレーで大書されたブルドーザー。
風にはためくカラフルなロゴの「希望の牧場 ふくしま」ののぼり。吊るされた牛の腰骨。


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牧場内に入っていくと、牧草ロールが山と積まれ、柵の向こうで牛たちが黙々と牧草を食べています。

代表の吉沢正巳さんは、牛たちがいるすぐ脇にある真っ赤なコンテナハウスに案内してくださり、話を始めました。

地震発生から、原発建屋爆発の瞬間、混乱の中で東京を目指し東電や官邸への乗り込んだこと ―― 牛たちを、餓死も、殺処分もさせないと決め立ち上がった、「希望の牧場 ふくしま」の今。

よく通る声でとうとうと語る吉沢さんの視線は、常に窓の外の牛に注がれていました。
お話はいつしか、原発避難者への「待っていてはだめだ、動き続けよう」というエールとなりました。

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コンテナハウスを出て、牛の世話をしながら吉沢さんは何気なく言いました。
「食って、たれて、それがこいつらの幸せ。」

それを今この場所で守り続けるためには、たいへんな労力と資金が必要です。それでもそれを、吉沢さんはじめ希望の牧場はやり続ける。
そうはっきりと信じられました。

はじめは、このような状況のなかで何故「希望」なのかと疑問に思っていたのですが、現実をしっかりと捉えた上での、願いと覚悟に裏打ちされた活動は、「希望」こそふさわしいと思いました。


吉沢さんのインタビューは、1月22日発売の季刊『道』183号に掲載します。

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2015.01.09 10:41 | 編集部より | トラックバック(-) | コメント(0) |